植物標本室
本標本室に収蔵されている植物標本は、以下の通りです。
維管束を持つ植物の標本(農学部由来の標本、教育学部由来の標本、地域ごとに纏めた標本)
植物病理標本
研究材料として用いられた植物の証拠標本(さく葉標本、顕微鏡用スライド標本)
【農学部由来の標本】
農学部の前身である盛岡高等農林学校の山田玄太郎教授(1873~1943 植物学・植物病理学)、富樫浩吾教授(1985~1952 植物学・植物病理学)、植物標本作成に当たった澤田兼吉(1883~1950 後の台北帝大教授)、技官として植物採集、標本作成を助けた雪ノ浦参之助(1899~1993)らが中心になって収集した維管束植物のさく葉標本約15,000点と病理標本(菌類標本)約2,000点が収納されています。なかでも菌類標本は、多くの基準標本を含んでいる点で貴重な資料となっています。
盛岡高等農林学校時代に寄贈された須川長之助(1827~1891)の採集になるさく葉標本680点。そのなかには長之助の名にちなんで Tshonoskii の種小名が付いた高山植物の標本が含まれています。
【教育学部由来の標本】
菊地政雄教授(1908~1969 理科生物学)らが採集した約70,000点におよぶ膨大な量の維管束植物のさく葉標本。早池峰山をはじめ岩手山、八幡平、駒ケ岳(秋田)、焼石岳、五葉山等、東北地方の各地から収集されました。
また、古くから親交のあった井上幸三(1905~2007 科学史研究家)、小水内長太郎(1908~1995)をはじめ、教えを受けた学生たちによる多くの採集品が含まれています。
【未整理のさく葉標本】
その内、未整理のさく葉標本が農学部由来と教育学部由来合わせて約70,000点にも及び、現在も作業が進められています。農学部由来の標本には、内田繁太郎(1885~1964 測樹学・森林保護学)とその教え子室井綽によるタケ、ササの標本が多くあります。
※なお、現在標本の公開展示は行っておりません。