は じ め に

 1972年、米国NASAによりランドサット衛星画像がもたらされました。広い範囲にわたって、陸域と海域の境界がまさに地図どおりに現われていて、都市部、耕作地、森林、湖沼、海流、濁水の拡散などが鮮やかに判読できることに驚かされるとともに、新しい環境計測の時代が到来したことを認識しました。

 1970年代には、石油ショック、公害問題、人口増加など、種々の環境問題が顕在化して、人々は地球資源の有限性を前提として、持続的発展をおこなうための方策を見つける必要に迫られました。

 1974年、東北地方で初の情報工学科が岩手大学工学部に設置されました。応用情報学研究室では、環境の計測及び情報処理の立場から、リモートセンシングの重要性に着目して、種々の研究課題に取り組んでまいりました。ここに、岩手大学ミュージアムの平成17年度特別企画展示「岩手大学リモートセンシング研究の歩み」として、その一端を紹介させて頂きます。

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