高農正門のユリノキ並木

 夕顔瀬橋を渡り梨木町に向かうと、上り坂(上田小路の高源寺坂と呼ばれていました)になります。昔、坂の手前を左に入るとユリノキとキササゲの並木があり、ゆっくり上って行くと盛岡高等農林学校正門でした。

 この並木は、大正中期に上村勝爾教授(のちに第4代校長となる)の指導のもと在校生の手で植えられたものでした。上村教授は「後日パリのマロニエ並木より美しくなり盛岡の名所になる」と予言しましたが、事実その通りとなり、とくにユリノキは本学のシンボルになりました。

 昭和56年の台風により並木は倒木し伐採されましたが、残存する伐根に往時の大樹林立の様子がうかがえます。高等農林学校正門脇に門番所と向かい合って立つ一本のユリノキの大木は、同時期の植栽と見られ、門を行き交う若い学生たちを見守っています。

アメリカではYellow Poplarで

親しまれるユリノキ