北水の池について

 「北水の池」は植物園の中央、農業教育資料館の東側にあります。

 この池は1980年(昭和55年)に造られましたが、その特徴は「破砕転圧工法」(はさいてんあつこうほう)を応用して造られた土池(つちいけ)ということです。

 この工法は、1960年代に岩手大学農学部の研究グループが水田つくりのために開発した工法です。この工法により、普通の工法では1日当たり100mmを超える漏水地帯でも、10mm程度に漏水を抑えることに成功しました。

 普通の土地は漏水が多いので、河川などから大量の水を引いて貯水したり、地下水面より深く地盤を掘りこんで水が貯まるようにします。あるいは、漏水を防ぐためにコンクリートやゴムシートを使う場合もあります。

 北水の池は土だけで造られたにもかかわらず、漏水がほとんどありません。図のように池底には土を重機械で締め固めて造った厚さ60mmの底盤(ていばん)、側面には幅約1.5mの囲堤(かこみてい)が配置され、これらが漏水を防いでいるからです。

 土でできた池ですので、水生の動植物がよく繁殖し、野鳥も訪れるようになっています。池の裏手には展示圃を設け、各種の水生植物が展示できるようになっています。